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「だれでもトイレ」改善へ向けての提案

概要

最新事例の「だれでもトイレ」は、きめ細かく諸器具が装備されていて「みんなのトイレ」にふさわしい。しかし、すべての施設を理想の「だれでもトイ レ」にするには、限界がある。今回、小金井市内約60ヵ所の調査してきた中で、各施設の与条件としての時間、予算、そして何よりかぎられたスペースがある ことがわかった。とはいえ、「ぜひ、改善してほしい。せめてこれだけは整備しなくてはだれでもトイレの存在意義もなくなる」という最低基準がある。各施設のトイレ の使用頻度、対象者、周辺のトイレ事情により、改善に際して検討していただきたい。

最優先してほしいこと
「だれでもトイレ」調査の際、障害者、車椅子使用者のご意見をきいた結果、以下のことが最優先(最低限備える事項)されることがわかり、今回のコメント表現の最優先レベルの基準とした。
  1. トイレでは何より「排泄が可能」なこと
  2. 非常時対応が確実なこと
アプローチ、ブース全体
アプローチ、入口、扉、ブース内の広さ、器具の配置など、不便なく、快適で、プライバシーが守られていることなど、すべてのトイレで当然要求される項目である。
入口、便器、手洗器
市内の主要施設、使用頻度の高い施設に提案するものである。一連の排泄行為が不都合なく可能なこと。すべてのトイレで検討してほしい。
その他の器具
使用対象者によって、要・不要があり、必ずしも、全施設に要求するものではないが、設計、改修の際、参考になることを願っている。

最優先してほしいことについての提案

最優先してほしいこと
項目 部位、項目内容 問題点、提案 備考
トイレでは何より「排泄が可能」なこと 入口から便器へ自力でアプローチ ドアの開閉が自力で可能であること 入口までの段差、スロープは適切かどうかの確認が必要
便器周辺のスペースの確保 便器への移乗:前方使用

便器の前方に動作空間を確保すること

直交配置の洗面器が大型のため近づけない例が多い

洗面器は小型手洗器でよい

洗面器より便器使用を優先する

便器への前方アプローチの図

バリアフリーブック・パブリックトイレ編』(東陶機器株式会社)より引用

便器への移乗:側方使用

便器の側方に動作空間を確保すること

便器横の手すりが固定のため近づけないことが非常に多い

便器横の手すりを可動型に改修することが望ましい

並列配置の洗面器が近すぎて近づけないことがある

洗面器は小型手洗器でよい

便器への側方アプローチの図

バリアフリーブック・パブリックトイレ編』(東陶機器株式会社)より引用

複数箇所のトイレ

同一建物内に、複数のトイレを設置する場合、左、右アクセスの両タイプを別個に計画する

身体状況により選択可能とする必要がある

 
非常時対応が確実なこと 非常時通報

電源が正常に作動していること

管理者に速やかに通報されること

 

非常ボタンのない施設ではブース内に掲示を貼ること

非常通報装置がないので、同行者に知らせてから使用する必要がある

非常用押しボタンの床上から操作

非常用押しボタンは、座位臥位の両方からの操作を考慮すること

「非常時」は、便器に腰掛けた状態の場合のみならず、車椅子使用者の移乗失敗の場合にも多くみられる

操作ボタンの高さ

上下2ケ所に設置すること

下部は、紐操作でもよい

紐の下端は床から高さ300以下とすること

これまでの調査事例は非常ボタン高さ800前後で、1ヵ所が多く、臥位では使用不可能である

定期点検

通報先、非常時電動扉解錠など定期点検を実施すること

これまでの調査では、正常稼動を確認することができなかった

トイレ内機器、電動扉の回路と配電盤の確認(管理者が把握していること)

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アプローチ、ブース全体についての提案

アプローチ、ブース全体

項目

部位、項目内容

問題点、提案

備考

アプローチ

案内標識

掲示位置

主要入口、エレベータ降り口など車椅子などの車付き器具使用者が多く通行する経路に掲示すること

車付き器具とは、車椅子、ベビーカー、シニアカー(歩行補助車)酸素ボンベ携帯器などをいう

標識板のデザイン

高齢者、視覚障害者にわかりやすい色、明確な色の対比、文字、位置を使用すること

白地に黄色はわかりにくい(誘導ブロックを含む)

車椅子国際シンボルマークを使用、オストメイト、おむつ替えの表示も統一マークを使用すること

シンボルマークを統一制定したい

導入路

スロープの勾配は、1/12以下、段差5mm以下とすること

 

障害物を置かないこと

 

排水溝のふた(グレーチング)は溝幅の細かい製品を使用のこと

車付き器具使用者は車輪が溝にはまることがある

ブース内

清掃管理(器具、室内全体)

便器周辺の清掃を最優先すること

 

床、壁、作りつけ棚などの仕上げ材料は耐汚性、耐久性、清掃性、抗菌性を考慮して選定すること

プラスチック製品は、耐用性のある製品を使用

光触媒作用のある材料の検討

暖かい色がよいが、床などは暗色を使用する場合、器具の色で楽しい色彩計画をすることが望まれる

 

床、排水勾配

ぬれても滑りにくい床材を使用すること

表面に細かい凸凹がある床材

車椅子に危険でない床の勾配を使用すること

 

清掃時に水はけがよいこと

床の排水勾配は1/70を推奨

維持管理、定期管理

器具の正常作動を定期点検すること

可動型手すりは、サビによって作動不可が発生する場合があるので注意すること

予備ペーパーを確保し、保管場所を明示すること

全器具が軽い操作で使用可能なことを点検

握力の弱い人が多いことを考慮

室内の広さ

2000×2000以上を確保すること

ブース内にて車椅子の回転が可能であること(1.5m直径の回転半径)が望ましい

主要施設では、将来的な器具増設を考慮2300×2300が理想

採光、照明

採光窓のないことが多い

照明:器具操作がわかりやすく、説明文を読みやすいように明るくすることが望ましい

手動スイッチ高さは800前後(一般建築では高さ1200〜1300)

換気

換気扇を設置することが望ましい

自動点滅、人感センサーを採用すると便利である

給気口を設置

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入口、便器、手洗器についての提案

入口、便器、手洗器

項目

部位、項目内容

問題点、提案

備考

入口

入口扉、寸法、形状など

有効開口幅は900を確保すること

場所によっては800でもよい

扉が軽く操作できること

 

外から気配がわかる扉にし、内部の非常が感じられること

使用中か否か、助けを求めていないかなど、外部から察知できるように

扉の一部に型ガラス小窓をつけること

 

取っ手が大きく握りやすいこと

 

手動扉

通過中に、勝手に閉まってしまう扉は、手で押さえていないといけないため、指をはさむおそれがある

 

電動扉

必ずしも電動の必要はない

非常時対応は安全かどうかを確認する必要がある

解錠がすばやくできるかどうかを確認する必要がある

 

補助錠

幼児が届かない高さ(1200)に室内側からの補助錠があることが望ましい

親がトイレ使用中に、子どもが解錠し出てしまう恐れがある(ブースが広いと制止できない)

便器

腰掛便器

便座面の高さは400〜450。車椅子の座面高さより少し低い程度がよい

400以下だと移乗しにくい

一般家庭用便器に近い形状が使い慣れている

障害者向けのバリアフリー便器でなくてよい

洗浄弁

洗浄弁は、背面でないことが望ましい

 

視力低下者にもわかりやすいことが必要である

 

非常ボタン、洗浄弁の区別を明確にすること

全国統一規格を検討してほしい

多様な形状があると、わかりにくい

 

壁付き「くつべら」タイプが多いので、それに統一したい

 

洗浄便座(ウォッシュレット)

あると便利だが、不可欠ではない

便座のまめな清掃管理が必要である

フラットな操作盤(プッシュ式)は、指の力の弱い人には使いにくい

 

背もたれ

あると便利だが、不可欠ではない

姿勢安定のため障害者施設には必要である

 

子ども用便器

子ども施設以外は必ずしも必要ではない

低位置にあるので、汚れやすい

子ども用便座を壁に掛けておき、使用時に便器に載せるという施設がある

洗面器、手洗器

洗面器(形状、水栓金具)

便器へのアクセスのじゃまにならないこと

手洗器で十分である

自動水栓かレバー式水栓がよい

便器に座って使える小型手洗器があると便利である

洗剤付きがよい

便器へ近づけない事例が多い

大型手洗器が設置されている事例がある

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その他の器具についての提案

その他の器具
項目 部位、項目内容 問題点、提案 備考

手すり

I型手すり

I型手すりの図

便器横の手すりは原則として可動型にすること

固定型手すりは、側方使用者にじゃまになり便器の使用が不可能になる

固定型手すりの図

固定型手すり

便器器具中心から左右振り分け350に手すりを設置すること

 

便器横のスペース幅600を確保すること

 

取り付ける高さは、便器への移乗用は高さ700、室内誘導用は高さ800が望ましい

700は車椅子の肘掛け高さ、800は腰骨の高さを想定

手すりの直径は、28〜33が望ましい

 

材質は掃除しやすいステンレス、合成樹脂がよい

暖房のない外部のトイレでは、ステンレス製は冬季冷たく静電気が起きることがある

L型手すり

L型手すりの図

「L型手すり」とは、便器からの立ち上がるときに使用する手すりである

便座の先端から縦手すりの中心までの適正距離は150〜300

便座先端と縦手すりの距離を示す図

『福祉住環境コーディネーター検定試験3級公式テキスト』(東京商工会議所編)より引用

0〜100では立ち上がれず、400以上は遠すぎて届かない

縦部分の上端は肩より少し高く

 

横部分は高さ700

 

その他

紙巻器

片手のみで操作、カット可能なものが望ましい

ワンハンドカットは片マヒの人に便利

予備ペーパーの取り替えが容易であること

 

予備ペーパーを備えること

 

便器横の手すりは可動型の紙巻器付きが望ましい

紙巻器付き可動型手すりの図

紙巻器付き可動型手すり

左右それぞれのマヒに対応可能

オストメイト対応機器(人工肛門、人工腎臓造設者用)

駅、福祉施設など人の多く集まる施設に、今後設置を検討したい機器である

対象者は今後増加すると思われる

おむつ替えシート

折りたたみ式が普及してきている

 

ベビーベッドタイプは、清潔維持に留意すること

 

設置場所は、女性トイレのみならず「だれでもトイレ」がふさわしい

親子が同室で用を足せ、ベビーカーに乗せたまま親が用を足せる

フック、荷物台

荷物掛けフックの図

荷物掛けフック

車椅子使用者は荷物をひざに乗せている、あるいは肩掛けバッグをひざに置いている

 

荷物用フックは少なくとも2個必要(高さ1000)である

すべての施設に要望したい

おむつ替えシートの近くにも設置すること

乳児連れは荷物が多い

高齢者用の杖や傘を掛けるフックが必要である

 

ベビーチェア

ベビーチェアの図

あれば便利だが、むしろ一般女性トイレに設置した方が便利である

ベビーカーを使わない外出時に必要

折りたたみシート(介護用簡易ベッド)

市庁舎、高齢者福祉施設など1つの建物に1ヵ所あればよい

すべてのだれでもトイレに必要というわけではない

エレベータがあることが条件になる

設置場所を明示すること

便器周辺のカーテン

介護者からの視線が遮られて落ち着く

 

不要時は必ず、開放しておくこと

 

清潔に管理すること

 

手すりをつけたうえで、カーテンをつけること

手すりがないとバランスを崩したときにカーテンにつかまってしまうので、かえって危険

ごみ箱など

汚物入れは一般トイレと同様に設置してほしい

車椅子で近づける場所に設置

乳幼児やこどもがよく使用するトイレでは、おむつと可燃ゴミを分別すること

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