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もう少し知ろう、野菜のこと
古谷 正
農学博士

パートT 全般的なこと

1 作物の種類と原産地 (参照図)
2 野菜の分類 (参照図)
3 野菜の消費量 (参照図)
4 野菜の流通
5 農産物の出荷割合
6 その他

Q & A
質問 答え
野菜の種類? 世界中では800種:山野に自生するアザミやツクシ、キノコ類を含む。
日本で栽培されている野菜は? 百四十種
昨日食べた数は? 加工法の違い(ジュウス、缶詰、サラダ、漬物etc.)
 トマト→生食(日本)、調味料(ヨーロッパ)、ジュウス(米国)
 野菜は食生活に密着しているが知られていないことが多い。
 原産地は現在生存している野生種から推定。北回帰線に集中している。作物の性質を知る意味から原産地は重要である。
野菜の分類の仕方
 1)植物学上の分類:種(最小単位)・属・科・目・網・門に分類。
 同じ「科」に属するものは花・果実の形や性質似ているので、科を単位にして分類・利用することが多い。
   (植物学上の分類:木
可食部の分類 葉茎菜類、根菜類、果菜類
野菜消費量は? 110〜120kg/人・年 → 米は90kg
 1日の野菜消費量:日本は300g、韓国やイタリアは400g
 北欧諸国・オランダは100〜200g。

日本の野菜流通について:
 東京オリンピックの頃は地場産が中心。1980年代に都市化が進み遠方輸送が増加。
 野菜の流通は農村から都心へ。
農産物出荷割合の推移) 米は下降、野菜は増加(全農産物比23%)
  海外からの輸入も増加し、1995年頃には300万トン位

輸入先は? 中国、米国、ニュージーランド、台湾、タイ、メキシコ、韓国
 輸入数量が不明確な理由は。
 @ 国産野菜の作柄により変動:主要野菜のタマネギ、キャベツ、ハクサイ、ニンジン
 A 国産野菜の端境期に輸入:カボチャ、アスパラガス
農産物の自給率は? カロリーベースで40%、野菜全体の自給率は80%
 

パートU 昭和前半期の野菜生産(小金井)

日本経済の高度成長と伴に人は農村から都会へ、農業から工業へ移動し、農村は「三ちゃん農業」の言葉に代表されるように労力不足が深刻化していった。その結果、化学肥料と農薬の多投が進められた。近年になって、再び環境にやさしい農業が言われるようになってきた。  かっての農業は有機質肥料を主体にし、農薬の散布量も少なかった。土壌の物理性を維持するために、どこの農家でも堆肥を大量に造り、投入していた。古きを訪ね新しきを知る意味で、昭和前期頃の野菜栽培に関する様子を数枚の写真で紹介する。
昭和の前半頃までの農業は有機質肥料が主体。良い土壌を維持するために、農家は堆肥を造り、投入。高度成長とともに農業と他産業とのバランスが崩れた。  
  農業 → 工業へ  人は農村から都心へ移動。  
  その結果、農薬と化学肥料一辺倒の農業へと移行。  
  再び環境にやさしい農業をと言われるようになってきた。  
  古きを訪ね新しきを知る意味で、小金井の農業の様子を紹介。

1)農村風景:枯れた野菜の残さ、敷きわら等は必ず焼いて灰にする。
枯れた野菜の残さ、敷きわら等は必ず焼いて灰にする。 これらには病原菌や害虫の卵が付着していることが多く、焼却することにより翌年の被害を防ぐ。
          

2)有畜農業:山羊の乳や鶏の卵は貴重なタンパク源である。
サツマイモの蔓や藁類も切断して堆肥に。ツルやワラは硬くて発酵しにくいので石灰を散布し、 予備発酵をさせる。硫安等の窒素物を加用し、細菌の活動を促す。工夫すれば色々なものが堆肥になる。
          
    小金井でも山羊、鶏、アヒル、豚、牛などを飼っていた。
    山羊の乳や鶏の卵はタンパク源。副産物として「きゅう肥」がとれる。
    山羊の糞は肥料効果が高い。鶏糞は一羽、一年で「一俵」がとれる。

3)堆肥作り:サツマイモの蔓や藁類も切断して堆肥にする。
畑をリフレッシュするために前作を片付け、石灰をまく。その上から堆肥を散布し、鍬やスコップで深く耕す。畑はふっくらとした柔らかい「団粒構造」の土によみがえる。
          

4)土作り:堆肥を散布し、鍬で深く耕しておく。柔らかい団粒構造の土によみがえる。
鍬で種を播く溝を作り、その溝に堆 肥を底に入れ、土を入れる。手で土塊を砕きながら覆土し、その上を鍬の底で「軽く押」しておく。
          

5)元肥施用と播種:鍬で播き溝を作り、堆肥を底に入れ、合土をし、種を播く。
          

6)果菜類の育苗:落ち葉や藁を踏みつけた熱と地温とを利用し、育苗する。
          

7)トマトの麦間育苗:トマトを早く育てるために麦の間に植え付け、寒さを防ぐ。
早くに出荷するトマトはまだ寒い早春に定植するので、ムギの間に植え付ける。
 Q 何故、早くに出荷するのか?皆より早く出荷すれば高く売れる。
          

8)トマトの消毒:トマトは梅雨が苦手。梅雨期に備えての消毒である。
病気にかかり易いので梅雨期に備えて少量の農薬で消毒する。麦は早めに刈り取ること。トマトが日陰になると丈夫な葉にならずベト苗にかかりやすい。
          

9)ネギの土寄せ:
根深ネギの栽培、溝は25cm位、土寄せは4〜5回。完熟した堆肥を溝の中に置き土で覆う。その上に苗を7〜8cnの株間になるように植える。堆肥が腐ってくる頃に第1回の土寄せを行う。土寄せは4〜5回に分けて行うが、その都度「追肥」を行う。40cm位の太い白ネギができる。
          

10)スイカの収穫期の確認:スイカは果物の王様。楽しみの収穫の判断は少し難しい。
早くに窒素を利かすとツルばかり伸びてしまう。これをツルボケと言う。スイカの球がゴムマリ大になれば9割方成功。 楽しみの収穫時期の判断は少し難しい。
Q 収穫時期を知るためにはどうするか?
 交配をした日を付けておくこ。収穫期が予想される内の一つを割って、他のものの収穫を決める。 日付を励行すれば完熟収穫が可能になる。
          
 農業の格言に”家畜なければ肥料なく、肥料無ければ農業なし”がある。

パートV 生育のしくみ

1 作物の生育と栄養
  1)生育に必要な要素:
    @ 光 (光合成の作用
    A 水 (水の奪い合い
    B 空気 (団粒の作成方法
    C 温度
    D 養分 (肥料成分の働き
    E 有害物質のないこと

  2)作物の成り立ち:
   @ 着果作用と生育 野菜の生育S字
   A 有機物と灰分
   B 養分の作用
      窒素、リン酸、カリ

  3)土壌の微生物:
  (1)微生物の種類と役割
     @細菌(バクテリア)、A放線菌、B糸状菌(カビ類)、C藻類
  (2)土壌条件と微生物
    微生物の増減の条件: @ 水、 A 温度、 B 有機物

2 土作り
   1)良い土作り
     良い土とは、@通気 A保水 B排水 C栄養 D害がない
   (1)有機物の投入:堆肥類、青刈り作物類、泥炭類
   (2)土作り肥料(土壌改良剤):石灰質、苦土質、リン酸質、珪酸質
   (3)耕土層の改良:深耕→膨軟、生育圏の拡大
 2)土壌病害の予防:@生物防除 A有機物施用 B深耕 C太陽熱利用
             D蒸気消毒 E薬剤防除  3)堆肥の役目:化学肥料→多雨で酸性化=腐植の消耗=土壌硬化

  堆きゅう肥→微生物の活躍 
   @三要素 A微量要素 B緩行性 C団粒化 D肥料成分の保持
     E有害物の阻止 F衝撃を和らげる

パートW 野菜栽培(15品目)

  (原産地、特徴、主な産地、栽培) 1 葉菜類
   キャベツ:
   ハクサイ:
   レタス:
   ホウレンソウ:
   ネ ギ: ネギの根の伸長
   タマネギ:

2 根菜類
   ダイコン:
   ニンジン:
   ジャガイモ:
   サトイモ:
   サツマイモ:

3 果菜類
   キュウリ: キュウリの接木
   トマト:
   ナ ス:
   ピーマン:

パートX 生産農家の栽培技術

(1) 篤農家から「栽培と意見」について聞いた結果を紹介する。
 これらの農家は地域の指導的立場にある篤農家である。
1 群馬県嬬恋村でキャベツ等を栽培する農家
      キャベツの定植

2 群馬県玉村町でハクサイ等を栽培する農家
      ハクサイ圃場準備

3 埼玉県三好町でサツマイモ等を栽培する農家
      サツマの収穫

                 

4 長野県梓川村でトマト・キュウリを施設で栽培する農家
      トマトの収穫

                  トマトの選別

 

そもそも作物はいかに生育するのか? 基礎的な知識を整理しておく。

1 作物の生育と栄養
 1)生育に必要な要素
 2)作物の成り立ち
(肥料成分と施肥)
 3)土壌の微生物
2 土作り
 1)有機物
 2)土作り肥料(土壌改良剤)
 3)耕土層の改良
 4)土壌病害の予防
 5)堆肥の役目
 

 先に(作物はいかに生育するのか)の中で、葉緑素をもつ作物は太陽エネルギーを利用した光合成を行い、 有機物を生成することを先に述べた。ここでは下記の主要野菜について、作物特性、原産地、栽培のポイント等を述べる。
 1 葉菜類(キャベツ、ハクサイ、レタス、ホウレンソウ、ネギ、タマネギ)
 2 根菜類(ダイコン、ニンジン、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモ)
 3 果菜類(キュウリ、トマト、ナス、ピーマン)

 さらに、篤農家から「栽培と意見」について聞いた結果を紹介する。
ここでは群馬県嬬恋村でキャベツ等を栽培する農家、群馬県玉村町でハクサイ等を栽培する 農家、埼玉県三好町でサツマイモ等を栽培する農家、長野県梓川村でトマト・キュウリを施設で栽培する農家を紹介する。
これらの農家は地域の指導的立場にある篤農家である。