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大橋 元明
地域では夜寝るだけであったサラリーマンが、退職後は生涯にわたって地域社会の中で昼夜生活することになる。しかし、地域社会にとけこめずに過ごしている人も多い。2001年の60歳の平均余命は、男21.72年、女27.13年。平均だからこれ以上長生きの人が半分以上いることになる。余生というには余りにも長い。サラリーマン時代に匹敵する長さであり、この間地域と断絶して暮らすのは、なんとも寂しい人生である。退職後の人生(セカンドライフ)をどのように暮らそうと当人の自由ではある。養育などの義務的な束縛も少ない。新しいことに挑戦しても良いし、趣味に没頭するのも良いかもしれない。長い期間である。目標を持って人生を楽しくまっとうしたいものである。 セカンドライフの活動範囲は、年齢とともに狭くなり、地域に限定されてくる。セカンドライフは、地域での活動や地域の仲間つくりが重要となる。
| 年齢 | 男 | 女 | ||||
| 年齢 | 平成13年 | 平成12年 | 伸び | 平成13年 | 平成12年 | 伸び |
| 60 | 21.72 | 21.44 | 0.28 | 27.12 | 26.55 | 0.23 |
| 65 | 17.73 | 17.54 | 0.24 | 22.38 | 22.42 | 0.23 |
| 70 | 14.17 | 13.97 | 0.20 | 18.45 | 18.19 | 0.24 |
| 75 | 10.95 | 10.75 | 0.20 | 14.45 | 14.19 | 0.23 |
| 80 | 8.13 | 7.96 | 0.17 | 10.80 | 10.60 | 0.20 |
| 85 | 5.87 | 5.76 | 0.11 | 7.76 | 7.61 | 0.15 |
| 90 | 4.19 | 4.10 | 0.09 | 5.41 | 5.29 | 0.12 |
| 95 | 3.02 | 2.97 | 0.05 | 3.77 | 3.73 | 0.04 |
日本の人口は2006年をピークに減少し始め、高齢者人口(65歳以上)の割合が増加してゆき、 2015年には25%を超えると推定されている。シニア人口(55歳以上)の比率はやがて40%にもなる。 小金井市では、2003年5月現在シニア(歳55以上)が約3万人、高齢者(65歳以上)が約1万8千人おり、 それぞれ総人口の28%、16.5%を占める。 少子高齢化時代に向かって高齢者は厳しい諸問題に直面している。 来年度には年金改革が予定されており、現在支給されている人も給付率が下がる。 既に特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の繰り下げが始まっており、 さらに報酬比例部分の支給開始年齢の繰り下げへと続き、2013年には厚生年金の支給開始年齢は完全に 65歳になる。また、企業の厚生年金代行部分(厚生年金基金)
| 年齢 | 男 | 割合% | 女齢 | 割合% | 男女計 | 割合% |
| 55 - 59 | 3335 | 6.12 | 3477 | 6.38 | 6812 | 6.25 |
| 60 - 64 | 2657 | 4.88 | 3080 | 5.65 | 5737 | 5.27 |
| 65 - 69 | 2477 | 4.49 | 2987 | 5.48 | 5434 | 4.99 |
| 70 - 74 | 2179 | 4.00 | 2475 | 5.04 | 4924 | 4.52 |
| 75 - 79 | 1560 | 2.86 | 2032 | 3.73 | 3592 | 3.30 |
| 80 - 84 | 830 | 1.52 | 1303 | 2.39 | 2133 | 1.96 |
| 85 - 89 | 414 | 0.76 | 801 | 1.47 | 1215 | 1.12 |
| 90 - 94 | 142 | 0.26 | 366 | 0.67 | 508 | 0.47 |
| 95 - 99 | 31 | 0.06 | 105 | 0.19 | 136 | 0.12 |
| 100 - | 3 | 0.01 | 15 | 0.03 | 18 | 0.02 |
日本の人口は2006年をピークに減少し始め、高齢者人口(65歳以上)の割合が増加してゆき、2015年には25%を超えると推定されている。シニア人口(55歳以上)の比率はやがて40%にもなる。小金井市では、2003年5月現在シニア(歳55以上)が約3万人、高齢者(65歳以上)が約1万8千人おり、それぞれ総人口の28%、16.5%を占める。
少子高齢化時代に向かって高齢者は厳しい諸問題に直面している。
来年度には年金改革が予定されており、現在支給されている人も給付率が下がる。
既に特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の繰り下げが始まっており、
さらに報酬比例部分の支給開始年齢の繰り下げへと続き、2013年には厚生年金の支給開始年齢は完全に
65歳になる。また、企業の厚生年金代行部分(厚生年金基金)
の運用がバブル後遺症としての運用利回り低下に耐えられなくなり、国への代行返上が始まる。これによっても、年金給付額は大幅に下がる。医療保険制度の先行きも暗い。本年4月より、自己負担3割となった。74-79歳の者の負担は2割、老人医療の負担は1割である。その上低金利時代で年金生活者には先行き不安な時代である。
生産年齢人口の減少は、税収の減収をもたらす。現在国の有利子負債は770兆円、特殊法人のそれは474兆円、すなわち国民一人当たり、1000万円の借金を背負っていることになる。これが次世代に先送りされ、重い負担を次世代に負わせる。行政改革は一向に進んでいない。行政サービスの低下は避けられず、自己負担は増えるばかりである。
年金支給開始年齢繰り下げに伴って、定年も繰り下がり、さらには定年制もなくなると予想される。
生産年齢人口の減少は、高齢者にも就業を求めれることになるだろう。
しかし、高齢まで就業を長く続けると、セカンドライフのスタートが遅れ、
セカンドライフ=余生になってしまう。70歳で退職しても余生というにはまだ長い。
また、高齢者が居座ると若い人の意欲を削ぎかねない。現在若年層の就職難が深刻であるが、
若い人が活躍できないと社会の活力はなくなる。一方、自らの意思でファーストライフを早めに引退し
セカンドライフで二つ目の人生を楽しみたいとしても、それに応える受け皿は少ない。
セカンドライフで新しい仕事を始めるには相当の自助努力が求められる。早めに後進に道を譲り、
セカンドライフならではのシニアに適した就業機会が得られないか。その有望な解決策が、
地域に密着したコミユニテイビジネスである。
現在の不況を招いているのは、バブルの後遺症である不良債権処理が進んでいないことに一因があるが、 加えて中国などからの低価格商品の流入がある。従来型の産業は、この流れに逆らえない。 かって米国がそうであったように、日本でも第二次産業から第三次産業への転換が図られている。 物作りは、他では真似のできない独創品でないと中国などに太刀打ちできない。これからは、 サービス産業、特に生活密着型、地域密着型のサービス産業が盛んになると予想される。
高齢者の90%は健康であり、自立している。同世代の全人口に占める要介護者・要支援者の割合は、
65-69歳で1.55%、70-74歳で2.68%、75-79歳で4.68%、80歳以上で14.5%である。90%以上は、
アクテイブシニアと呼ばれ、元気で働く意欲も高い。
知能には、流動性知能と結晶性知能があると言われている。流動性知能は生まれながらの知能で、
物覚え、変化への対応などであり、20代がピークで年齢とともに徐々に低下する。結晶性知能は、
判断や問題解決の為に蓄積された情報を総合的に利用する能力であり、年齢とともに増加し、
80歳代になってからようやく衰え始める。結晶性知能は、訓練すれば歳をとっても増えると言われ、
現に高年齢でも活躍している政治家や芸術家などは多い。定年のあるサラリーマンには、
高年齢になっても活躍できる場がない。現在のシニアに対する社会の仕組みは、
余生を楽しむという視点から作られている。シニアの就労は単純作業が多い。
シニアの能力を存分に活かせる場を作る必要がある。
国民の資産1400兆円の75%を高齢者が保有している。少子高齢化時代になって全人口の3割を占める 高齢者・シニアは他の世代に比べて裕福である。且つ、元気で有能である。ところが消費者としての シニアは質素倹約型で、若年層に比べて軽んじられてきた。これから団塊の世代がシニアの仲間入り する。この世代は有望な購買層と見られている。最近、アクテイブシニアに対する市場が注目され始 めた。アクテイブシニア市場へは、従来のグローバル型企業の進出が目立つが、地域に根ざした顔の 見えるコミユニテイビジネスの出番は多いだろう。
以上述べてきたように財政赤字の拡大による財政の逼迫、行政サービスの低下、第二次産業から 第三次産業(サービス産業、生活密着型産業)への産業構造の変化、少子高齢化社会の到来による 諸問題(年金、医療費など)、さらには価値観の多様化(個人個人に対応した多品種少量生産)、 地域経済の悪化、コミユニテイの崩壊などから、最近コミユニテイビジネスが行政レベルでも注目 され始めた。経済産業省関東経済産業局コミユニテイビジネス・NPO推進室に事務局をおいた広域 関東圏コミユニテイビジネス推進協議会 が本年3月に発足した。本年2月に出された小金井市市民起業意向調査報告書において「小金井市産業振興プランで 小金井らしい新しいビジネスを産み、育てること」が基本方針のひとつに掲げられている。方針実現のための施策として 「コミユニテイビジネスプロジェクト」を位置づけている。また、調査結果として、 「コミユニテイビジネスに対するニーズ、シーズともに非常に高いが、さまざまな課題がある。 今後、市民と市が協働して環境整備について検討して行く必要性を確認」している。
コミユニテイビジネスとは、地域密着型の歩く範囲のビジネス、顔の見えるビジネス、
公益性と収益性を合わせもったビジネスであり、私企業にない公益性を持ち、行政にはない
収益性の高いビジネスである。コミユニテイビジネスには、地域住民、特にシニアの経験や能力を
地域活性化に活かす事業、高齢者への代行サービス、子育て支援、学校支援、文化活動支援、
イベント開催、ITなどの地元企業支援、特産品の発掘・販売、環境・リサイクルなどがある。
コミユニテイビジネスの担い手としてNPOが主体となっている場合が多く、そこに退職者シニア、
主婦、障害者など今まで労働の機会に恵まれなかった人達が参加している(多参加型のビジネス)。
これらの人達のワークシェリングにより多くの市民が参加の機会を得て、街が活性化し、地域社会
(コミユニテイ)が再生する。
アクテイブシニア市場開拓が始まり、健康分野(健康食品、健康機材、フイットネスクラブ、
健康管理など)、安心・安全分野(バリアフリー住宅、防犯、シニア向け車、家事代行、資産運用
など)、学習・趣味・娯楽分野(カルチャースクール、シニア向けパソコン・携帯電話、旅行サービス
など)、ファッション分野(服、下着、エステ、育毛など)に企業が進出を始めている。企業は、
利潤追求の視点からグローバル指向のマスプロダクションにならざるを得ない。また、
若い世代によるビジネスであり、供給する側と受けて側(シニア)で世代間ギャップがある。
シニアは地域内で活動することが多いことを考えると、アクテイブシニア市場へのコミユニテイビジ
ネスへのシニアの出番がある。ここでは、シニアによるシニアのためのビジネスであり、供給者と
受給者の立場が同じである。また、地域密着の細かいサービスが可能となる。
・地域での雇用創出
・多参加型の産業創出
シニア、主婦層、障害者など今まで機会の少なかった人達も
・多くの住民参加による街の活性化
・地域社会(コミユニテイ)の再生、住民の交流、世代間交流
・住民による住民の為のきめの細かいサービスの提供
・参加による市民の意識改革
インターネツトの普及にとともに時代は大きく変わってきた。インターネツトは、国境を越えて瞬時に世界中に情報が流れる。 インターネツトに管理者はいない。何でもあれの世界で、個人と国家や企業が同等に扱われる。インターネツトはこれまで経験 したことがない、全て平等、超フラットの世界をもたらしている。個人が国家や大企業と同じ土俵でお金を掛けずに自由に世界 に向けて情報を発信できる世界はインターネツトをおいて他にない。コミユニテイビジネスは、ホームページにより世界にも窓 を開くことができる。その地域独自であると思われていたことが、予想もしていない所で関心を持たれるかも知れない。 コミユニテイビジネスといえども世界につながっている。
コミユニテイビジネスの主な担い手は、NPO(特定非営利活動法人)である。
NPOに関する法律は、1998年1月に「特定非営利活動促進法」が成立し、
その年の12月1日に施行された。NPO法人は、法律が施行されてからまだ4年半しか経ていない
新しいタイプの法人である。活動は、法律で定められた特定の16分野に限定され、公益性の高い活動を行う。しかし、活動するためには収益をあげる必要がある。現状では赤字状態のNPOも多いが、中には、億単位の収益を上げているNPOもある。現在のNPOの多くが行政や介護保険などに依存する言わば税金依存型であり、血税に依存しない自主事業で収益をあげることが課題である。
株式会社では余剰利益を株主や役員に分配するが、NPO法人では、活動によって得られた
余剰利益を構成員(役員(理事)や社員(会員))に分配しないで次の活動に充てることが法で
定められている。ここがNPO法人と株式会社の一番大きな違いである。税金を払うこと、
作業従事者(会員や従業員)に給料を払うことなどは、両者の間に大きな違いはない。
NPO法人は、明確な社会貢献の目的と賛同者が10人以上いれば資金なしで設立できる。
設立の際の諸費用もあまりかからない。定款を作成し、所轄庁(都庁や内閣府(事務所が複数県に
ある場合)など)に提出し、法定要件が満たされていれば認証される。
NPO活動の分野(特定非営利活動促進法)
・保険、医療または福祉
・社会教育
・まちづくり
・文化、芸術又はスポーツの振興
・環境の保全
・災害救助
・地域安全
・人権の擁護又は平和の推進
・国際協力
・男女協同参画社会の形成促進
・子供の健全育成
・情報化社会の発展
・科学技術及び学術の推進
・経済活動の活性化
・職業能力の開発及び雇用機会の創出
・消費者の保護
| 介護・障害者支援関係NPO |
|
ほっとわーく、 蕚、 小金井かいわい、
エイドセンター、 らく福祉会、 ケアサポート湧、 あん福祉会、 ハンデイサポートこがねい、 小金井市精神障害者地域生活支援協議会、 スピリチユアルケア東京 |
| 子育て・教育関係NPO |
| 鳩の翼、 幸せな家庭環境をつくる会、 理科カリキユラムを考える会 |
| 文化活動型NPO |
|
日本コンゴ友好協会、 日中演劇交流・話劇人社、 現代劇場文化研究所、 小金井市文化協会、 東京ルネッサンス |
| 事業型NPO |
|
東京グリーントラスト、
グリーンネックレス、 ガリレオ工房、 福祉葬儀協会、 ひ・ろ・こらぼ、 こがねいねっと、 シニアSOHO小金井 |
| シニア主体のNPO |
| 全国熟年協会小金井支部、シニアSOHO小金井 |
シニアに適した就業を考えてみよう。セカンドライフは、 サラリーマン時代のしがらみから開され、趣味、旅行、遊びなどへの欲求も強い。 それらを満たしながらの労働となる。
・週5日間より少ない労働日数、短時間労働
・通勤時間が短い(地域内が望ましい)
・自宅でもできる(SOHO)
・軽作業
・今までの経験やシニアの知恵が活かせる
・シニア層を対象にしたビジネス
・ファーストライフでなしなかった構想・夢の実現
・社会貢献、社会における存在感が得られる
・近隣の交流ができる
必然的に労働時間は短く、時間的束縛の少ないことが望ましい。年金生活者には生活の為より 健康の為に働くという意味合いが濃くなる。個人個人にとってワークシェアリングの方が良いし、 それにより多くの人が就労の機会に与かれる。体力的には軽作業で、出来れば地域内で就労したい。 このような、言わば我がままと言える条件でも労働の機会を与えてくれるのがコミユニテイビジネス である。最近のIT技術の進歩と通信インフラ整備で自宅でできるビジネス・SOHO (Small Office Home Office)をしやすい環境になった。
コミユニテイビジネスによりシニアの能力や知恵を活かせれば、
シニアにとっても地域にとっても意義がある。大勢のシニアが地域に出て、コミユニテイビジネスに参加すれば、シニア同士の交流ばかりでなく、世代間の交流も盛んになり、生き生きとした活力ある地域になるであろう。
コミユニテイビジネスの主な担い手はNPOである。自らNPOを立ち上げても良いし、
NPOに参加する方がもっと手っ取り早い。国や都その他多くの行政でも財政削減の中で
公共サービス向上や地域活性化を図る為、多くの市民が参加できる市民団体NPOとの協働でコミユニテイビジネスを推進し
始めた。三鷹市、
国分寺市など近隣諸市では市民と市の協働で各種のコミユニテイ事業が始まっている。
小金井市でも遅ればせながらNPOなどとの連携でコミユニテイビジネスを支援する兆しが見えてき
た。今、新しい時代が始まろうとしている。
| シニアSOHO普及サロン・三鷹 | 市と協働の各種コミュニテイビジネス、アクテイブシニア支援事業、パソコン講座、ビデオ製作、HP製作 |
| シニアSOHO小金井 | 地域のお役立ち事業(HP製作・文書作成・デザイン・製図・翻訳・ISO・経理その他)、インターネツト美術館、パソコン講座、セカンドライフ支援事業、高齢者支援事業 |
| シニアネツト仙台 | 宅老、給食サービス、作品展示販売、パソコン講座 |
| シニアネツト久留米 | 古文書や市町村誌をWEB化をし、CD販売 |
| いちえ会 | パソコン教室、書籍出版 |
| あびこシニアライフネツト | パソコン教室、学校支援(パソコン指導)、清掃 |
| イー・エルダー | パソコンのリユース |
| アクテイブシニアネツト | 熊本県波野村、過疎の村から特産品で地域活性化、有機栽培農産物 |
| 赤目の森 | 三重県名張市、里山保護、リクレーシヨン施設運営、温泉・レストランなどで地域活性化 |
| おばあちゃんの民話茶屋 | 郡山駅待合室改造、民話実演、特産品販売 |
| よろすや余の助 | 群馬県太田市、喫茶店、手作り品販売 |
| シーズネツト | 札幌市、ロングステイ事業、シニアの困りごと相談事業 |
| インターネツト市民塾 | 富山県、インターネツト利用の市民講座(有料) |
| 神田雑学大学 | 生涯教育支援、江戸ソバリエ |
| デイヘルプ | 我孫子市、業者に頼めない小さなリフオーム、修理 |